海辺の磯にいるはずのイソヒヨドリに異変が……!? いったい何が?

【ちょっとマニアな季節の生きもの】サイエンスライター・柴田佳秀先生が見つけた生きもののふしぎ

サイエンスライター:柴田 佳秀

磯ではなく、イトーヨーカドーにいる!?

今、とっても気になる鳥がいます。その名はイソヒヨドリ。写真を見てわかるように、オスは青と赤茶色のとってもきれいな鳥です。鳴き声も「ヒュール、ヒュール、ヒュールル」と透き通った音色。声も姿も美しいなかなかステキな鳥なんです。
そのイソヒヨドリが、10年くらい前からちょっとおかしなことになっています。名前のとおり、海辺の磯にいる鳥なんですが、どうしたことか、海から遠く離れた街の中で姿を見るようになったのです。しかも、よくいるのが郊外の大きな駅やショッピングセンター。

なかでもイトーヨーカドーで見ることが多くて、私は「イトーヨーカドーの鳥」なんて呼んでいます。また、最近は子育てまではじめていますから、驚きを通り越しているのです。
イソヒヨドリのオス
 いったい、どのくらい海とは関係ないところにイソヒヨドリがすんでいるのか、私はで全国の人々に呼びかけて調べたことがあります。すると青森県を除く、すべての都道府県で海から離れた場所にイソヒヨドリがいることがわかりました。

いちばん驚いたのは、長野県の木曽福島駅での観察例で、ここは海から130kmも離れている山の中です。そして、北海道や東北では少なく、関西や関東ではかなりの数が街にいることがわかりました。
カナヘビをくわえたイソヒヨドリのメス
どうして磯の鳥だったイソヒヨドリが、海から離れた街の中で暮らし始めたのでしょうか。

ビルが岩だらけの磯に似ているからという説がありますが、ビルがたくさんある東京や大阪の都会にはほとんどいないので、どうもその理由はちがう気がします。もっともイソヒヨドリがいるところは、ニュータウン開発された郊外の駅やショッピングセンターなので、たぶん、ここにヒントが隠されている気がするのですが、まだ納得のいく答えが見つかっていません。

私は、その答えをみつけるために、これからもイソヒヨドリを詳しく観察したいと思っています。皆さんのお家の近くにも、イソヒヨドリがあらわれるかもしれません。発見のコツはきれいな声です。もし、見つけたら教えていただけると嬉しいです。
写真提供/柴田佳秀
しばた よしひで

柴田 佳秀

Shibata Yoshihide
サイエンスライター

元ディレクターでNHK生きもの地球紀行などを制作。科学体験教室を幼稚園で実施中。著作にカラスの常識、講談社の図鑑MOVEシリーズの執筆...

ちょっとマニアな季節の生きもの

日本の国鳥 キジのメスは派手好き!? オスがど派手になった理由とは?

【ちょっとマニアな季節の生きもの】サイエンスライター・柴田佳秀先生が見つけた生きもののふしぎ

妖怪「小豆洗い」の正体は「まっくろくろすけ」のような見た目のチャタテムシだった!?

[ちょっとマニアな季節の生きもの]昆虫研究家・伊藤弥寿彦先生が見つけた生きもののふしぎ

ハトはどうして首を振って歩くのか、その驚きの真相とは?

【ちょっとマニアな季節の生きもの】サイエンスライター・柴田佳秀先生が見つけた生きもののふしぎ

新種アンモナイトの学名は「ゆるふわパーマ」!? 新種の化石、学名はどうやってつけるの?

【ちょっとマニアな古生物のはなし】古生物学者・相場大佑先生が見つけた古生物のふしぎ

ごく限られた場所にしか生息しない! とても珍しい「雑種のカミキリムシ」とは?

【ちょっとマニアな季節の生きもの】昆虫研究家・伊藤弥寿彦先生が見つけた生きもののふしぎ

いったい何のため!? カエルやバッタの死体を枝に刺す習性をもつ鳥とは?

【ちょっとマニアな季節の生きもの】サイエンスライター・柴田佳秀先生が見つけた生きもののふしぎ